「〇年保証ついてます!」それ本当?
30年保証がついているので安心ですよ
ハウスメーカーの方からこんな説明ありませんでしたか?
確かにそのハウスメーカーでは30年保証をしてくれるのかもしれません。
しかしその保証はお金がかかる可能性や、保証を受けるための条件がある可能性があります。
従って 30年・60年といった数字だけを見るのではなくポイントを押さえて比較することが大切です。
法律で決められている保障:住宅瑕疵担保履行法
新築住宅の売主等は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、住宅の主要構造部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任を負うこととされていますが、構造計算書偽装問題を契機に、売主等が瑕疵担保責任を十分に果たすことができない場合、住宅購入者等が極めて不安定な状態におかれることが明らかになりました。
このため、住宅購入者等の利益の保護を図るため、第166回通常国会において、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19年法律第66号)(住宅瑕疵担保履行法)」が成立・公布されました。
(国土交通省HPより引用)
瑕疵(かし:傷・欠点のこと)
安全性を評価する構造計算書が、建築士さんのよって偽造されていた
という事件があったんだね
これを偽造されてしまうと、素人である住宅購入者は見極めることもできないし非常に不利な立ち位置になるね
21年10月1日より新築住宅の引渡しを行う請負人や売主に、資力確保措置(保険への加入または保証金の供託)が義務付けられています。
(国土交通省HPより引用)
これが義務付けられたことで、住宅メーカー倒産によるトラブルから消費者を守ることにつながったね
確認すべきポイントは3つ!
確認ポイントは以下3点です
- 保証の内容
- 保証の期間
- 保証が適用される条件
1.保証の内容
構造躯体
防水保証
防蟻
地盤
設備
構造躯体と防水保証は初期保障として設定されているケースがほとんどです。
防蟻の保証については、メーカーによって期間や条件が異なるのでしっかり確認が必要ですね
また、設備機器(トイレや洗面等)についてもメーカー保証からさらに〇年延長といったハウスメーカー独自の延長保証をつけているケースもあります。
2.保証の期間
10年・30年・永年保証・・・・と様々な文言が使われることが多い保証期間
無償で記載されている年数まで保証されるのかしっかり確認しましょう。
後述しますが
「条件によってその年数まで保証がつきます」
というケースもあり注意が必要です。
基本的には、この保証期間内で定期的に点検を行う必要があります。
この点検がメーカーによって有償であったり無償であったりします。
坪単価の高いメーカーではこのあたりが無償点検であったり、保証期間が長かったりするので、一概に坪単価だけで比較することはできないようです。
3.保証の条件
一番わかりづらく注意が必要なのが「保証の条件」です。
冒頭でお伝えした
「うちは30年保証です!」
というハウスメーカーの営業担当の言葉を鵜呑みにしてはいけないというのがここにつながります。
例えばヒノキヤは30年保証を記載していますが、よくみると「最長30年保証」となっています。
記載されているように、10年目と20年目に有償メンテナンスを行うことが30年保証の条件となっているためです。
このメンテナンスでいくらかかるのか、概算の費用を事前に確認しておいた方がいいです。
またこのときに足場を組む可能性がでてくると、それだけで費用が跳ね上がりますので注意が必要です。
ハウスメーカー比較
各ハウスメーカーの保証内容は以下の通りです。
ヒノキヤ:最長30年保証
期間:初期保障10年 最長30年
条件:10年目・20年目での有償メンテナンス
設備機器:10年保証
アキュラホーム:最長35年保証
期間:初期保障20年 最長35年
条件:10年・20年・25年・30年での有償メンテナンス(20年・25年・30年は点検も有償)
積水ハウス:初期30年保証&ユートラスシステム
期間:初期保障30年 延長することで永年保証
条件:30年までは無償点検。30年以降は10年ごとに有償点検・メンテナンスを行うことで10年ずつ延長可能
一条工務店:最長30年保証
期間:躯体部分のみ30年まで保証
条件:10年目の無料点検・メンテナンス 15年目の無料点検・有償メンテナンス
へーベルハウス:最長60年保証
期間:初期保障30年 最長60年保証
条件:30年目以降の定期点検・有償補償
住友林業:最長60年保証
期間:初期保障30年 最長60年保証
条件:30年目に有償メンテナンス工事・耐久診断 10年おきに延長可能(最長60年まで)
外壁にタイルがある場合は40年・50年目で足場を組んだうえでの耐久診断が必要です(有料)
住友不動産:最長60年保証
期間:初期保障10年(躯体のみ)最長60年
条件:10年おきの有償メンテナンスが必要。延長から10年後に無料点検実施。
建築費用が安くても、長い目で見ると費用は思っているよりも膨らんでいるかも!?
営業担当の人に細かいところまで確認するのをおすすめします!